140字小説「消える」

時折り自分の像が消える感覚になる。誰にも認識されない無存在。ただ明敏な身体意識が残され、体表は薄い硝子になり、内側から鉤爪がきぃきぃと嫌な音を掻き散らす。声にならない悲鳴が狂気を増幅する。荒れ狂う悔恨に溺れる。恒星の終末の如く自ら押し潰される。終わらない今に失心して蛹化を始める。

2021/08/12、Twitter 8月の星々に応募

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