140字小説「ふくこと」

開栓の途端、サイダーが勢いよく噴き出した。焦っているのに時間はゆっくり流れている。垂直に昇るグレープの液体は怒気を吐く噴火になり、宙に弾ける無数の泡は煌びやかな落星の発光を演じる。空のボトルを透る光だけが冷ややかだった。テーブルの半乾きを撫でた手がぬるりとしてショウは幕を閉じた。

2021/11/13、Twitter 第184回深夜の真剣140字60分一本勝負に投稿。お題 ①サイダー ②落星 ③ぬるり

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