まずもう、占いのことは置いといて。タロットカードってなんなん?の話を整理していきたいです。というのも私自身、スピリチュアルな文化に特別馴染み深い方ではなく…霊感もゼロ。神秘的な体験も人並み以下かもしれないという有様。 それでもタロットのデザイン性にファンタジー心をくすぐられ、本屋のカードゲームフェアで偶然手に取ったかつての私のように、「ファンタジー風味の綺麗で緻密な絵が描いてあるナンカスゴイカード」というだけのイメージを漠然と持っている初めての方に、私ができるだけ理屈っぽく(味気なくともいえる)説明をしようと思います。 まずタロットカードが何を描いているかを知ってもらいましょう。タロットカードが示しているものは、簡単に言えばものごとの「状態」や「性質」、「感覚」や「感情」です。いわばヒト(推し)に付与されるシチュエーションやステータスが描かれているようなもの。一つのカードに、これらを思い起こさせるモチーフがいくつか描き込まれているわけです。 そのモチーフの中から想像できるヒト(推し)のこんな状態やあんな感情をロールプレイングしつつ妄想を繰り広げ…もとい、想いを馳せるという仕組み。 タロットカードは思考の手がかりになる要素をランダムに提示して、私たちの脳が「こう感じる具体的なことはなにか」とか「こういう状態に至る経験や想定はなにか」について考えられるように刺激を与えることができるカードなのです。 文章のない絵だからこそ、言葉のイメージにとらわれすぎない幅広い情報の拾い方ができるのもタロットの強みですね。 私が扱う範囲のタロットリーディング(カードから解釈をすること)は「発想の補強になるネタ出し」です。「推しの内面をもっと探り、表現したい」という意図を持って、小さなアイデアを膨らませて、奥行きをつけて、自分の中での解像度を上げる作業なのです。 これで少しだけタロットの意味不明みが取り除かれたのではないでしょうか。タロットはデザインが綺麗で目にも楽しく、思考整理にも使える素敵なアイテムです。機会があったら触れてみてはどうでしょうか。
このコンテンツにはコメントできません