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蒼樹里緒

2022/05/30 05:53

その世界に『ヒーロー』はいなかったのか

カテゴリー:
雑記・エッセイ
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※2019年8月20日に書いたものです。


2019年6月23日、東映特撮界隈でこういった事件がありました。


ヒーローショーの聖地「シアターGロッソ」でショーのお姉さんを務めていた女性が卒業、その理由をTwitterで告発→東映が調査、事実関係を認め謝罪へ - Togetter


ゴールデンウィーク公演を以て『騎士竜戦隊リュウソウジャー』ショーを卒業された中山愛理さんが、その現場で一年以上に亘って受けたという性被害やハラスメントについて、ご自身のTwitterアカウントにて告発なさったのです。

そしてついに、ヒーローショーを主催する東京ドームシティの劇場『シアターGロッソ』側と東映側が、最終報告を発表しました。


戦隊ショーセクハラで6人処分 「出演停止も含む厳正な処分」と最終報告

シアターGロッソヒーローショーのハラスメント問題、東映側が6人を処分 再発防止策も発表


その後、中山さんも最終報告ツイートを投稿してくださいました。


ヒーローショーにおける『お姉さん』は、女性のMC(司会進行役)の方を指します。ショーの開始前にステージに登場し、観客の子どもたちに「みんなー! こんにちはー!」と明るく挨拶したり、ショーの中でヒーローがピンチになると「みんなで『がんばれー!』ってヒーローを応援しよう!」と子どもたちに呼びかけて盛り上げたりする、とても重要な役どころです。

子どもの頃から特撮好きである私も、東映作品に限らずヒーローショーには何度か足を運んでおり、元気はつらつな『お姉さん』の立ち居振る舞いを拝見するたびにわくわくしたものです。

子どもたちに夢や希望を与えるはずのヒーローショーの裏側で、『お姉さん』の中山さんに非道な行為がされていたと知った時、非常に残念でしたし悲しくなりました。

しかも、出演停止処分が下されたということは、ヒーローショーに関わられた役者(スーツアクター)様方の中にも、加害者がいたのでしょう。

それどころか、中山さんの告発ツイート投稿後、一部の公式関係者様方がそれを「嘘(フェイクニュース)だから信じるな」と断定する旨の発言までなさっていました。そのツイート自体も、当記事冒頭のTogetter記事には残っています。

→Gロッソ関係者のTweetの問題点について

→力不足で卒業とは言うけれど④


中山さんは、2018年の『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』ショーから、2019年の『騎士竜戦隊リュウソウジャー』ショー第2弾まで出演されていました。その間、6名もの関係者から執拗にハラスメントを受けて耐え抜いておられたという事実も、私には壮絶すぎました。


「そんな酷い職場、すぐに辞めればいいのに」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。しかし、仕事を続けるか、思い切って辞めるか、その選択もタイミングも人それぞれです。中山さんは、告発ツイートの中で「お客様の声に本当に支えられてきました」とも仰っていました。きっと『お姉さん』としてのお仕事を全うしたい想いもあり、ヒーローショーの舞台に立ち続けられたのでしょう。


「警察に相談もしないうちから、ネットで告発するなんて」といったご意見もお見かけしました。しかし、確たる証拠や万全の準備もない状態で被害者が告発すれば、それこそ逆に加害者側から訴えられかねません。酷い侮辱に耐えながらも、中山さんは粛々と準備を進められ、だからこそヒーローショー主催・制作側も告発内容が事実であると認めるに至ったのでしょう。


「なぜ、加害者たちの実名が公表されないのか?」といった疑問や要望も、最終報告が出た現時点では正直不毛です。中山さんやご家族が、代理人弁護士とも相談なさって決定し納得されたことだと私は考えておりますので、この点に関しましては特に追及いたしません。加害者の実名はともかく、彼らが所属している関連企業・団体名まで一切明かされないままであることには、疑問が残りますが。


ハラスメントや性犯罪が起きると「被害者にも落ち度があった。だから加害者も含めて双方悪い」といったご意見も、必ずと言っていいほどお見かけします。しかし、たとえば被害者の「仕事を続けたい、やり遂げたい」という意志を利用し、弱みにつけ込んで加害する側が全面的に悪いと私は考えております。


中山さんの告発を拝読した日、私は恐ろしくなりました。

もしかしたら、中山さん以前に出演されていた『お姉さん』たちも、同様のハラスメントを受けてしまっていたのではないか? 彼女たちは、どうにもできずに泣き寝入りしてしまったのではないか?――と。

中山さんの一連のお言葉からは、子どもたちが楽しめる場所や、同様の被害に遭われた方々をも守りたいという気概を感じました。

私にとっては、勇気ある告発を以て状況改善を願われた中山さんこそが、素晴らしい本物の『ヒーロー』です。心から尊敬します。中山さんが今後別のイベント・舞台等に出演されるのであれば、ぜひとも拝見したいです。


また、特撮関係者の中で、中山さんに寄り添うお言葉をかけてくださった方がいらっしゃいました。『ウルトラマン』シリーズの主役級スーツアクターである、岩田栄慶さんです。

「本当だとしたら哀しい事です。その世界にヒーローは居なかったのでしょうか。」

岩田さんは、過去のウルトラマンシリーズにおいても、主役ウルトラマンのアクションを何度も担当され、ヒーローを演じられることにも誇りをお持ちです。そういった方が言及してくださったことに、私は心底安堵しました。


また、『仮面ライダー電王』にてリュウタロス役の声優である鈴村健一さんも、ご自身のラジオ番組にて言及してくださいました。


ヒーローショー制作にも、たくさんの方が関わられています。中山さんにハラスメントを行った加害者が6名もいたのであれば、その現場を当時見聞きしていた方もいらっしゃるかもしれません。その場で直接助けられずとも、せめて中山さんのご相談に乗ることはできなかったのでしょうか。所詮私は部外者・第三者でしかありませんが、そう感じずにはいられません。

ヒーローを創りたい、ヒーローになりたいと思ってその職業を志したのであれば、近くで困っている方にも手を差し伸べていただきたかったです。


私も未熟ながら、子ども向け知育アプリの音声の仕事を細々と承っている身です。子どもたちが心から楽しめる場所・時間を守りたいという想いもあります。自分も子どもの頃から好きな特撮ヒーローたちが、今後も子どもたちを勇気づけてくれるよう願いつつ、地道に精進します。


――あなたの周りに『ヒーロー』はいますか?


【追記】中山さんの素晴らしい告発があったにもかかわらず、東映側は何も学習していないようですね。非常に残念です。

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