クラスや学校側の対応にもよるでしょうけれども、ひとつのいじめが解決されても、また新たないじめが発生する可能性もあります。自分がいじめのターゲットになってしまうのを恐れ、どうしても『傍観者』の立場から抜け出せない生徒さんも、きっとたくさんいらっしゃることでしょう。 中学時代にいじめを受けていた私は、「いじめには加害者と被害者しか存在しない」と考えております。 当時、両親を通して担任の先生に相談し、自分へのいじめがなんとか収まった後、わりと仲の良かった女子から申し訳なさそうに謝られました。 「助けられなくてごめんね」 彼女もまた、自分がターゲットになるのを恐れて行動できなかった一人だったのでしょう。しかし、クラスにいじめがあると気づいていながら何もしないというのは、当時の私にとっては加害行為の一種としか考えられませんでした。 私の場合は当時、自分のいじめ問題しかクラスには発生しておらず、解決後はほかの人へのいじめは発生しませんでした。私だけがターゲットになっていたのであれば、「どうしてあの時、こっそりでもいいから助けてくれなかったの?」という思いもあり、どうしても傍観者=加害者であると考えてしまいます。 大人になった今では、彼女も彼女なりに悩んでいたのだろうなとは理解できますし、彼女にも早めに相談できなかった私も悪いのですが。当時は本当に「クラス全体が『敵』かもしれない」と思い込んでしまっておりましたので……。 直接手を下さなくとも、いじめの様子を面白がって遠巻きに眺めている一部の人たちも傍観者であり、明確な加害行為であると私は認識しております。 いじめの被害者を自分で直接助けるのは勇気が要りますし、なかなか難しいことだとは思います。しかし、たとえば担任の先生や校長先生、教頭先生に密かにいじめの状況を報告し、解決へ向けて動いていただくことは、生徒一人一人の力でできることですよね。 「今、クラスでいじめがあるんだけど、どうしたらいいかな?」と家族に相談し、意見交換することも大切です。 大人になってからも、職場等でいじめやハラスメントは起きてしまいますが、子どもの頃からいじめ問題に向き合って真剣に考えていくことは必要だと私は感じます。 何もしない、何もできない『傍観者』でいるのは、もうやめていただきたいです。
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