こんばんは。第一回雑談記事です。

初回の雑談という事で何を書こうかなーとやや悩んだのですが、私は作曲をする人なので最初くらいは音楽の話をしたいと思います。

元々ゲームの音楽が好きで、それが高じて作曲の勉強を始めたクチなので、今回はゲーム音楽の話に片足を突っ込んだお話です。

そっち方面を期待される方がいたら申し訳ないので先にお知らせしておきますが、手法や理論や分析の話はほとんどしないのでよろしくお願いします。

(ちょっと前まで「作曲家がむざむざ音楽の話をしようなど美しくない、音符以外の表現に頼るな」と思っていたのが進んで音楽の話を書こうとは丸くなったものだと思います。その辺の心境の変化はもう少し整理がついたら、いつかまた追々)

ゲーム音楽の話となれば、ゲームで流れていて初めて気になった曲、初めてお小遣いでサントラを買ったゲーム、とか色々候補はあるんですが、

この人生では曲を書こうと思った発端、「Overdosing Heavenly Bliss」という曲との出会いの話をします。私にとっては本当に鮮烈だったのでよく思い出せます。

曲単体で見れば、今でも一番好きなゲームBGMかもしれないです。

これは当時からゲーム音楽界隈ではかなり人気があった曲なので、知ってる人も多いと思います。もし他に好きな方が見て不快に思われたらごめんなさい。同担拒否の方や、この曲を絶対に穢されたくない思いのある方は各自自衛してください。

＝＝＝＝

小学生の頃は絵を描いたり小説を書いたりするのが結構好きで、中学・高校に入ってもずっと続けて作ったものは個人サイトで公開していました。

その中で音楽を題材にした小説を書き始めた事があって

(今思うとこれも当時どハマりしていたゲーム「英雄伝説Ⅴ 海の檻歌(PSP版)」の影響)

音楽の話を書くなら曲も作りたいよな～という事で、短い10秒くらいの一節を勘と手探りで一つ作ったんです。多分これが本当に初めて作った曲だと思う。

詩はあんまり覚えてないので省きますが、メロはこうでした。

音源作って動画にして貼るほどの尺でもないのでお手元か脳内でなんとかしてください。すみません。

これをピアノで弾きながら自分で歌ったものを携帯か何かの録音機能で録って、なんかまあそこそこ気に入ってはいたんですが、ネットで公開しようというほどのクオリティでは流石にまだないなという感じで、

色んな曲を作りたかったけれどもどうやら絵や小説と比べてハードルが高そうだと思っていた時でした。

(和声の本をちょっと読んでみたりした、何を言ってるのか本当に意味が分からなくてへこんだ)

日本ファルコムから、音楽もお話もとにかく大好きで熱狂していた「英雄伝説」シリーズの最新作「空の軌跡 the 3rd」が発売。

後にPSP版が出ましたが当時はPC版のみで、遊べる環境が無かった私はどんな曲が流れるのかだけでも聞きたくて、携帯サイトで配信されるぶつ切りのデータをちまちま買って落としていました。

(かつて携帯には「着メロ」「着うた」という…知らない人は調べてください。

その「着うた」もまだフルじゃなかった頃で、1曲がA、B、Cの3分割くらいで売られてました)

かっこいいバトルBGMが聞きたかったので、タイトルの中からそれっぽそうな曲を選んで聞いていたんです(試聴なんてものは無かった)

その時に「Overdosing Heavenly Bliss」のCパート、要は曲のサビに当たる部分と出会った訳です。

（分かりやすくするために、調性を合わせた上でフレーズ記号なしで書いています）

メロディの始まりで「お？」

数秒聞いて「おおおお！？」

もう数秒聞いて「分かる分かる！！！そうだよね！！！！」

聞き終わる頃には「作曲ちゃんと勉強しよう！！！！！！！！！」みたいな。

何かと言うと本当に、本当にお恥ずかしいし烏滸がましい話なんですが、「私が作った曲と同じメロディだー！！！！！！！」と思ったんです。

同じはもう完全に言い過ぎというか思い上がり過ぎなんですが、譜面で比べるとこんな感じ。

（字が汚い）

ちゃんと見れば音楽的には全然違うし、共通点が多少あるのも途中までなんですが、なんだかこの曲とは話が合うような気配がしたと言いましょうか。

曲としてのクオリティに天と地以上の差があるのは当然なので一旦さておき、「私の曲とこの曲は同じ論法で話をしようとしている」と思った。

文章で言うなら文脈や言葉選びにただならぬ親近感を覚えた、みたいな感じですかね。

途中の「分かる分かる！」ていうのは、「やっぱりそのメロはそう行きたくなるよね！！」の分かる！です。(一丁前に何を言ってんだほんとにお前と思う)

それと同時に、やってみてなんか上手く出来ないな〜と思っていた所が全部物凄くかっこよく仕上がっていて、似た語り出しで始めてもプロだとこんな風に自由に爽快に出来るのかと本当に羨ましくなった。

それまで手の届かない天上の世界から供給されるものをただ有難く美味しくいただくだけだったので、羨ましいなどと思ったのは初めてでした。神様を本気で羨んだりしないでしょう。

大好きな作品のしかも最新作で流れる、気鋭のプロが作った憧れの超かっこいい曲と、自分が拙いなりにも作ったものに共通点があると感じられた時、何だかこの曲に「ここまで来ればお前もこんなに凄いの作れるようになるぞ」と言われている気がしたんですね。もう散々恥を晒したので、ここまできたらずっと何を言ってんだコイツと思われてもいいです。

作曲やろうと思ったらもう他は考えられなくなって（元々他にやりたい事なんか特になかったけど）、それまで提出していた進路希望を全部撤回して音大に行きました。

今書いててもなんて自惚れと思い込みの強い奴だと思わずにはいられないのですが、作曲を身に付ける最中でこの思い込みに何度も何度も救われたのも事実です。

どれだけ曲が書けなくてもダメ出しされても「でもあんなにかっこいい曲と気が合ったんだから、私に作曲のセンスが無い訳ないじゃん」と思えたので大してへこまなかったんですよね。

今思うとその時から無意識にメロディこそ曲の根幹と感じていた所があったんだな。

ちなみにこの曲を作曲された方とは後にプロになってから一度だけお会いしてお話出来ました。

前述の話はご本人に直接伝えるようなことではないので胸の内に仕舞っておきました。

きっと凄まじいプレッシャーの中で魂を込めて書いた曲に対して、中学の頃に作った曲とメロディが似てて共感したんすよ～なんて言われたら私だったら助走つけてぶん殴ってしまうかもしれない。

ただ、この曲がすごく好きですとはお伝えした気がします。

代わりにと言っては何ですが、その人が書いた他の曲のタイトルを私用のメールアドレスにして今も使ってますって話をしました。何とかして情熱を伝えたかったんですかね。

「怖…」と引かれてしまいましたがお話できて嬉しかったです。

…という昔話でした。

こんな所まで読んでくれてありがとうございます。奇特な方だ。

あの時よく分からんなりにも曲を作ってみていなかったら、この曲との遭遇もまた全然違っただろうと思います。

これはただの雑談なので、何か立派な結論めいたものは特にないです。私は書いてて懐かしかったし楽しかったので終わりです。

流石に毎回この文量の雑談記事は書けないので、次回はもう少しライトに何か書きます。

それではまた。おやすみなさい。

雑談 #1 ある曲の話