――歳末の降臨祭。 信心を失った人々に絶望した『聖夜の悪夢』が襲い来る――。 かつて、ニコラスという神父が居た。 彼は降臨祭の時期になると貧しい家々の窓や煙突から、金貨を投げ入れていた。 彼は没後、『聖霊セント・ニコラス』となり、 一部の国ではそのイントネーションがなまって『サンタ・クロース』と 呼ばれるようになっていた。 セント・ニコラスは人々から親しまれていたが、文明が発達するに従って 人々は信心を失い、子どもたちに「セント・ニコラスは存在しない」、 「そんなのはおとぎ話だ」と教えるようになっていった。 神や聖霊は人々の信心が無ければ、存在できない。 人々の不信心に絶望したニコラスは悲しみと嘆きのあまり、 やがて巨大な悪霊へと姿を変えた。 聖夜に子どもたちをさらいに来るそれは、人々から 『サタン・クロイツ』と呼ばれ、恐れられるようになった。 ラディカ大佐の母は、高名な聖職者である。 ラディカは、サタン・クロイツの伝承を知っていた。 第14師団を率い、サタン・クロイツの進撃を止めると共に、 彼を救済しなければならない――。
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