JR東海が2027年に品川(東京都)・名古屋間の開業を目指すリニア中央新幹線。だが2027年の開業はほぼ不可能だ。リニアが通る1都6県(東京、神奈川、山梨、静岡、長野、岐阜、愛知)において工事が大幅に遅れているからだ。だが、JR東海は2027年開業が難しくなったのは「静岡のせいだ」と主張する。確かに、静岡はリニアの本線着工を認めない。それは県北部のトンネル工事で県の水源である大井川が毎秒2トン減流するとJR東海が予測しているのに、県が納得できるだけの水(量、質)を戻す方法や生態系の保全策をJR東海が示していないからだ。これが確かに工事が遅れる原因のひとつではあるが、神奈川県での8年遅れや山梨県での5年遅れなどの大幅な遅れは全く報道されないでいる。 工事の遅れは建設業界では珍しくないが、なぜJR東海がかたくなに「静岡のせいだ」と主張するのかは判らない。一つだけ言えるのは、このまま工事が遅れれば、それはリニアの工費増額につながり、2027年どころか、次に目指している名古屋・大阪間の開業が不透明になることだ。その動画も公開予定です。
コメントするにはログインが必要です