初夏の海にいったら、お友達ができました。 笑顔がとってもキュートな女の子。(写真左側) お互い名前もしらないまま。 仲良しになりました。 その海辺ではみんなが石を探していました。 綺麗な石とか大きな石とか何か必要な石があるとかで、来られている方はそれぞれに目的の石があるようです。 せっかくなので私も気に入った石を探すことにしました。 老若男女いろいろな人がいる中で、近くにちいさな女の子を見かけました。 ふと目が合ってにっこりしたら、同じようなタイミングで女の子もニコッとはにかみながら笑いかけてくれた。最初はそれだけです。 2回目にまた目が合ったので、にこっと笑ったら、照れながらチラッと見てにっこりしてくれました。女の子は家族と来ているようでした。 3回目も、私たちは短くにっこりを交わし合いました。 それからは嬉しくなって、どちらからともなくチラチラと見ては、目が合うとにっこり。にっこり。はにかみ。 ときどきそんなふうにしては、かわいい石を見つけたり、冷たい波に足をつけたり、寝っ転がってみたり、それぞれ過ごしていました。 しばらく石を拾いながら少しずつ移動して、気がつくと私は最初の場所から随分離れたところにいました。 女の子とその家族はまだ最初の辺りにいて、表情もわからないくらいの距離に。 言葉も交わさなかったけれど、嬉しかった。一瞬の交流だったな、と、私は少し寂しくなりました。 些細なことですから、女の子はきっともう忘れてしまったり気が変わってしまっただろう、と考えました。 よくあることです。皆が通り過ぎてしまうような取るに足らないことかもしれません。 気を取り直して、私は海の写真を撮ったり再び好みの石を探し始めました。 すると『こっちこっち!』と、声がしました。 顔を上げると、女の子が家族の手を引っ張ってこっちに向かってきています。 連れてこられているお姉さんは不思議そう。 私は思わず立ち上がり、女の子と目が合いました。 女の子は満面の笑みで真っ直ぐこちらに向かってきます。一人で離れていっちゃダメと言われていた彼女は、それならばと家族を連れて移動してきたのです。 私に会いに!! 私は嬉しくて思わずそっちに走っていきました。 『きてくれたの?』 『うん!』 私たちははじめて話をしました。 彼女は小学校の低学年くらい。私は成人。 女の子のお姉さんは小学校高学年くらいで、不思議そうにしています(そりゃそうですよね)。 私たちは再会が嬉しくてにこにこでした。 あまり言葉は交わさず、でも一緒にいられてハッピーなので、2人でずっと照れ笑いしたり写真を撮ったり石を探すフリをしたりしていました。 なんだかよくわからないけど飛び跳ねたい気分でした。 ほどなくして、女の子のご家族がやってきました。 ご家族は不思議そうにしています(そりゃあそうですよね)。 『すみません、あやしいものではありません。仲良しになりまして』 私はご家族に奇妙な挨拶をしました。 『ピカピカに光る石を見つけようよ!』 満面の笑みの女の子に言われました。 『うん』と答えて私たちは石を探し始めました。 光る石、なかなか見つかりません。 見つからないけど嬉しい私たち。 ご家族を長くお待たせしてもいけないので、ほんの数分で解散することになりました。 私と女の子はハイタッチをして握手をして、何度もバイバイしながら『またね!』といって別れました。 すごく短い時間でしたが、楽しかった。 お互い名前も知らなくて、年齢も、住んでいる街も何も知らないままです。お名前くらいきいておけばよかった。 こんなふうに仲良くなれるお友達は久しぶりだと思いました。 また会えるでしょうか。 またどこかで会いたいです。 彼女がずっと元気で幸せでありますように。 次はピカピカに光る石を一緒に見つけようね。 のぞみ
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