こんばんは。近況をサボりがちな八重です。 ここ数日は公募ガイドのTwitter企画「マッチング小説」に参加してまして、せっかく今日は七夕だからと、企画で考えた「書き出し」と「結末」の間を埋めてちゃんと掌編にしてみました。 当日の夜に恐縮ですが、しょっぱなから「誰でも朗読フリー」公開にしておきますね。 ============ 【七夕さまの願い事】 七夕は、絶対に雨がいい。 晴れるといいねとよく言われるが、実際はどんな天候でも問題ない。だって、それよりも高い天《そら》での出来事なのだから。 天《そら》を見上げる人は数十年前に比べるとずいぶん少なくなった。それはつまり、のぞき見る目も減ったということだ。 祝われるのは素直に嬉しく思う。しかしながら、彼らに仰ぎ見られるのは大変こそばゆい。曇りだと、晴れることを期待して雲の切れ間をうかがわれるものの、その点雨の日は、そもそも見上げる者がほぼ居ない。 ゆえに、せっかくなら雨がいいわけだ。 念願かなって、今年は雨が降った。だが、長年願った報《むく》いなのか、ものすごい降り方をしている。いくらなんでも、これでは穏やかに彼女との時間を過ごせるわけがない。 例年ならいろんな願い事を見聞きして笑い合っているはずが、私も彼女も眉はハの字に、口はヘの字になっている。こんなことなら晴天がよかった。 七夕は、できれば雨がいい。さすがに来年は静かな雨だと嬉しい。 〔七夕さまの願い事/了〕 ============ ★ 誰でも朗読フリー ★ OFUSEで応援ありがとうございます! 許可取り不要で新規音声配信していただけます。 (よければ配信先URLをコメントください) =========== ★ 朗読フリー案内→ https://ofuse.me/e/23767
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