明けましておめでとうございます。E-Novel Studioです。
昨年10月から心身の不調よりお休みを頂いていましたが、今日から少しずつ活動を再開していきます。
まだ根治したわけではなく、また私自身の力不足もありますので、E-Novel Studioの活動はまだまだ低調が続くと思います。
昨年の活動から、コンテンツの制作と発信に必要な知識や地力が足りていないと露呈したので、今後しばらくはその改善に努めていくつもりです。
面白味のない地道な発信が続くと思いますが、今年もE-Novel Studioをよろしくお願いいたします。
次回の更新は1月8日(月)の12:00です。
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先日、『バッタを倒しにアフリカへ』という本を読みました。
昆虫学者を夢見るバッタ大好き新米博士『前野ウルド浩太郎』氏が、単身アフリカはモーリタニアへと渡り、世界や自身の未来のために奮闘するノンフィクション作品です。
軽妙な筆致で語られる未知なるアフリカの世界と著者の半生は大変に魅力的で、頁を捲る手が止まらない名作でした。
その本の最後の章に、ある一節の文章が綴られています。
『夢を叶える最大の秘訣は、夢を語ること』
作中でたくさんの苦労や危機に見舞われる前野氏ですが、その度に多くの人から力を借りて、困難に立ち向かう事が出来ました。
それだけの人に助けてもらえたのは、自身の夢を全身全霊で語っていたからなのではと、前野氏は振り返っています。
ここ一年。少々人生の方に支障をきたし、私は多くのものを見失っていました。
生きる目的。成すべき使命。叶えたい夢。
今まで持っていたはずのものが、全て色褪せてボロボロに崩れて、虚栄心を飾るハリボテに過ぎなかったのだと思ってしまって、私の中の柱のことごとくが折れてしまっていたんです。
そうしていつしか、私は何も語れなくなっていました。
声が出ない。脚が動かない。頭が回らない。食事が喉を通らない。
働くどころか、外出することすらままならず、次第に身体も痩せ衰え、気力はますます失われて……。
現実逃避と自己否定を繰り返して無為に時間を過ごし、様々なチャンスを棒に振って、たくさんの期待を裏切り、周囲に不幸と迷惑を振り撒きました。
生きていても全てを駄目にしていくばかり。
それならばもう、何もかも終わりにした方が世のため人のためになるのではないか。
そう何度も考え、愚かな自棄へ走りそうになりました。
それだというのに。
こんな状態でも物語を夢想し、拙いながらもメモにアイデアを書き留めて、それを楽しむ私がいました。
見たもの、聞いたもの、全てを素敵な何かに繋げられないかと思考を巡らせる私がいました。
この不幸や挫折すら、経験として創作に役立てられないかと企てる私がいました。
夢は呪縛です。
一度その光に身を焼かれてしまえば、人はもう逃げられません。
そして残念なことに、私は全身火だるまでした。完全に手遅れです。
いくら嘆き立ち止まったところで、もはや炉のようになった心の太陽は消すことが出来ません。
燃え尽きるまで進むしか道は無い。それが夢追い人の背負う宿痾なのです。
私は夢から逃げていました。
E-Novel Studioの活動も、趣味であり使命であり経済活動なのだと誤魔化して、夢の光熱に素知らぬ振りをしていたんです。
だけど思い出してしまいました。自覚してしまいました。
私には夢があったのだということを。
Re:Dreaming.
偉大なる先人の背中を見習い。
私ももう一度、夢を語り始めようと思います。
次回の更新は1月8日(月)の12:00です。それでは。
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