仏教教団では、初期から不淫が戒律の一つとされ、戒を破った者は教団から永遠に追放されました。キリスト教でも修道士、修道女には貞節を守ることが強く求められました。
しかし、生殖行動がなければ人の社会は存続しません。パートナー間の愛や家族愛はすべての愛の基本です。家族を愛せない者は隣人を愛することなどできません。愛は不浄のものなのでしょうか?
確かに宗教指導者や出家者にとって不淫であることは避けられない規範だったと思います。なぜなら情愛を経て婚姻することは互いにすべてを与え合うことであり、信仰にすべてを捧げる必要があった修道士や修道女、出家者にとって間違いなく信仰の障害になったからです。
しかし、釈迦は出家する前には婚姻して子もいます。聖書を読むと、イエスも人が情欲を持って異性を見ることは自明のこととしていたように思います。
「情欲をいだいて女を見る者は、心の中ですでに姦淫をしたのである。」「あなたがたの中で罪のない者が、まずこの女(姦淫の罪を犯した者)に石を投げつけるがよい」。(マタイによる福音書 第5章)。
情欲に溺れることは最も激しい煩悩であり、嫉妬と憎しみの源です。しかし、貪欲ではない愛は人の幸福の源泉です。愛は不浄ではありません。愛を貪欲に求めるだけで与えないことが不浄な行為なのです。人生のパートナーを得て愛を育み、大切な家族の幸福を守ることは貴方の最も重大な使命の一つです。
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