太陽や月など
母は弁当に文字を書く。意図を掴めない言葉は呪いのようで昼休みが憂鬱だ。例えば喧嘩中の「ゴメン」は詫びではなく、趣味の囲碁の盤面だった。梅雨時に海苔で「つゆ」を描いた蕎麦弁当には参った。 やがて最後のお弁当の日が来た。蓋を開けると「 」。白飯に塩で綴った一言でしょっぱい日になった。
2021/11/02、Twitter 11月の星々に応募
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140字小説「残した言葉」
140字小説「描く」