140字小説「帰省」

故郷に向かう列車の窓をずっと吹雪が叩き付けていた。半日遅れで到着した駅に立つ無言の父。久しぶりの帰省に会話の緒が見つからず、車内にはスタッドレスタイヤの走行音だけが響く。赤信号の停止時に父がすっと塩結びと懐炉を差出した。此れでも娘よ。何時までも娘だ。父子家庭の不器用な時間は続く。

2022/01/01 、Twitter 1月の星々に応募

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