140字小説「寒気」

寒気団をぶら下げて夜の帳がおりていた。靴裏がザクザクと響く。霜柱の背伸びに押されて、足元を冷気が纏わり付く。もっと強く地面を踏み締めて進む。青白い空には一際強く光るオリオン座。彼の視線の方向に顔を上げると、鼻先を寄せ鍋の匂いがくすぐった。ふふっと漏れた息にメガネが曇る。ただいま。

2022/01/22、Twitter 第12回カクタノ140字小説コンテストに応募

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