140字小説「雪模様」

ドア先の雪模様に怯んだ。網膜が白に染まって物と空間の境が消える。私の輪郭線が消しゴムで擦ったように薄れてゆく。吐息の湿り気も白に溶けてしまう。千切れてゆく世界の最後尾に並んで時間が止まった。何かが眼前を過って我に返る。残像の正体は屋根の落雪。覚えず悴んだ手に息を吐きかけて摩った。

2022/02/09 、Twitter 2月の星々に応募

コメントするにはログインが必要です

    User Icon

    太陽や月など

    ファンレターを送る