私は、スラングとして使われる『コミュ障』という略称が嫌いです。 そもそも、『コミュニケーション障害』とは実在する病気であり、主に幼児期・小児期・青年期に発病する精神疾患です。研究を行う学会も実在します。 しかし、『コミュ障』という略称が、いつの間にかインターネットスラングの一種として広く使われるようになってしまいました。 このことを知った時、私は苛立ちました。 「いや、それって単に『口下手』とか『付き合い下手』とかのレベルでしょ? 実際にお医者さんから診断されてないなら『障害』じゃないよね?」 コミュニケーション障害の患者さん以外の方々が、自他に対して『コミュ障』というスラングを軽々しく使うことは、たとえば男性の同性愛者を『ホモ』、女性の同性愛者を『レズ』と呼ぶのと同じくらい失礼なことだと個人的には考えております。 (※当事者様方がご自身のご判断で自称なさっている場合は除きます) 「私、コミュ障だからさー」なんて笑いながら仰る方々には、ご自身を振り返って本来の意味を考えていただきたいです。 あなたの口下手や人付き合いの下手さ、そしてその苦手意識は、本当に医学的な『障害』と呼べるほどのものでしょうか? 私も未熟ながら『声』を扱う仕事に携わっている身ではありますが、雑談等では昔から聞き役に徹する場合が多く、自分のことを進んで話すのは今でも苦手です(苦笑) しかし、私は自分の声や文章作成能力を使って細々と仕事ができておりますし、多少口下手のふしがあろうとも、それを絶対に『コミュ障』スラングで表したくはありません。 「私、ちょっと口下手なんだよね」 「僕、ちょっと人付き合いが苦手なんだ」 スラングを素直にそう言い換えることで、気持ちが多少なりとも軽くなるのではないでしょうか? 自分や他人を『コミュ障』と呼んで笑う文化は、そろそろおしまいにしませんか? 『コミュ障』スラングは、『ガイジ』『陰キャ』等と同様に、実生活でのいじめにおいてもきっと多く使われてしまっているのでしょう。非常に残念ですし、嘆かわしいです。 また、私は『学級会』というスラングも嫌いです。 一般的な学級会とは意味も用法も異なります。 問題発生時、理性的に問い合わせる人・疑問を呈する人・注意喚起する人を一括りで『アンチ』と決めつけ、糾弾し追い出す方々が、残念ながら存在します。 そして、予想外に問題が波及したときに『学級会』というスラングを持ち出し、「注意喚起側の言い方が悪い」などと言って問題自体を矮小化し、真剣に怒る人・嘆く人を馬鹿にする方々も存在します。 私は、そういった行為もまたいじめの一種なのではないかと考えております。インターネットにおいても、群集心理や同調圧力が生じるからです。 Twitterのように、拡散力やその影響が強い場では、なおさら発生しやすいのではないでしょうか。 ぜひ適切な言葉の使い方をお考えいただきたいです。
コメントするにはログインが必要です