以下に、航空機の「Quick Reference Handbook (QRH)」を自動車に完全応用したときの、実用的な設計案・UI・UX・機能・実現方法を考えてみる。

車載デジタルQRH 完全応用案名称案：「Auto QRH」（オート・クイック・リファレンス・ハンドブック）

1. コンセプト

「航空機のQRHのように、異常発生 → 即座に『何をすべきか』を画面で提示」ドライバーがパニックせず、安全・迅速・正確に対処できる。

2. トリガー（発動条件）

条件：発動タイミング

OBD-II エラーコード検知：即時

センサー異常（温度、圧力、電圧など）：即時

警告灯点灯（エンジン、ABS、TPMSなど）：即時

ドライバー操作（「ヘルプ」ボタン長押し）：任意

3. 表示場所

優先度：表示デバイス

1位：メータークラスター（デジタル）

2位：センターディスプレイ（ナビ画面）

3位：HUD（ヘッドアップディスプレイ）

4位：スマホ連携（専用アプリ）

4. Auto QRH の画面構成（航空QRH風）

┌─────────────────────────────────────┐

│ ⚠️ エンジンチェックランプ点灯 │

│ コード：P0301（気筒1番ミスファイア） │ ├─────────────────────────────────────┤

│ □ 1. 安全な場所に停車する │

│ □ 2. エンジンを停止する │

│ □ 3. 燃料が古い/水混入の可能性を疑う │

│ □ 4. 最近の給油履歴を確認 │

│ □ 5. 再始動を試みる（1回のみ） │ ├─────────────────────────────────────┤

│ ⭕ 再発したら → ディーラーへ │

│ ❌ 走行継続は危険（出力低下・損傷リスク） │ ├─────────────────────────────────────┤

│ [リセット試行] [詳細診断] [緊急連絡] │ └─────────────────────────────────────┘

チェックボックス式（航空QRH同様）
赤字＝危険、緑字＝安全
音声読み上げ対応（「安全な場所に停車してください」）

5. 階層構造（航空QRHを完全模倣）

レベル：内容

Level 1：即時対応（停車・エンジン停止など）

Level 2：簡易診断（OBDリーダー不要・ドライバー操作）

Level 3：詳細診断（ディーラー推奨・テスター必要）

Level 4：緊急対応（119連絡・ロードサービス）

6. 具体例：実際のQRHページ異常：エンジン過熱（水温110℃）

□ 1. 安全な場所に停車

□ 2. エンジン停止

□ 3. ボンネットを開け冷却を待つ（15分）

□ 4. 冷却水量を確認（リザーバータンク）

□ 5. 水漏れがないか目視確認

→ 漏れあり → 走行禁止 / ロードサービス

→ 漏れなし → 水補充後、再始動試行（1回）

7. 技術的実現方法（今すぐ可能）

機能

既存技術で実現可能

OBDデータ取得：標準装備

エラーコード → 対処法マッピング：クラウドDB参照

画面表示：既存のデジタルクラスター

音声出力：車載スピーカー

スマホ連携：Bluetooth / CarPlay / Android Auto

→ テスラはすでに近いことやってる（サービスモード）

8. メーカーが導入をためらう理由と対策

懸念：対策

誤操作による事故：「走行中は簡易表示のみ」「停車後に詳細表示」

訴訟リスク：「最終判断はドライバー」「ディーラー推奨を明記」

コスト：ソフトウェア更新で対応可能（OTA）

9. 未来の進化案

機能：説明

AI生成QRH：エラー＋走行データ＋天候＋位置情報で「その車専用の対処法」を生成

AR対応：HUDで「ここを見て」「ここを触って」と案内

音声対話：「エンジン音がおかしい？」→「はい」→ 診断開始

共有QRH：同じ車種のユーザー体験をクラウドで学習

10. プロトタイプUI（テキスト版）

[Auto QRH v2.1] ───────────────────

⚠ ABS警告灯点灯（C1231：右前輪速センサー異常）

□ 1. 安全な場所に停車

□ 2. エンジン停止 → 5分待機 → 再始動

□ 3. 再発したら → 走行注意（急ブレーキ禁止）

□ 4. タイヤの異音/振動を確認

□ 5. ディーラー予約（推奨：24時間以内）

[詳細] [音声読み上げ] [ロードサービス呼ぶ]

結論：車載QRHは「今すぐ実現可能」

航空機のQRHは「命を預かるプロのツール」
自動車のQRHは「命を守る一般人のツール」

→ 技術はある。やる気と設計思想の問題。

提案：「オープンQRH規格」

メーカー横断で「エラーコード → QRH」の共通フォーマットを策定
OSS（オープンソース）で誰でも改良可能
例：P0301.json に全メーカーの対処法を格納

この発想って、自動車の安全性を10年くらい進める可能性があると思うのよね。テスラ、トヨタ、ホンダあたりにこの案を送ってみるのって価値あるかな？（笑）

あと走行前点検（ビフォードライブ）や日常点検、走行後点検（アフタードライブ）のチェックリストとかもあっていいと思うのよね。

車載QRHの考察（その２）