[R18]飼い主獣人スレッタとペット人間ミオリネさん:9-2(連載)

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9-2 1  何年ぶりだろう、分からない。久しぶりに会ったお父さんは昔と少し髪が白くなった程度で何も変わっていなくて、相変わらず頑固で独善的だった。  ヒトの繁殖・販売を手がけている施設は幾つかあって、その内の一つを漸く買収出来た。まだ買収しただけだ。ガンダム社の活動がヒトの付加価値を上げると認めてもらえただけ。例えばヒトの繁殖や養育をどうするかとか血統を維持すべきかとかについては、これから先方と細かく打ち合わせていくしかない。  そんな中久しぶりに会えたのだ。最初はもう少し感動的なものだったのに、私がスレッタとツガイであることを明かした辺りから雲行きが怪しくなっていった。自分は施設の命じるままに交尾して私をこさえた癖に、そう口走ってしまったのが決定的だったんだと思う。言うべきじゃなかった。言いたくなかった。でも言ってしまったんだから、おしまいだ。彼は背を向けて部屋を出て、二度と戻らないのだろう。その背中にかける言葉が見つからなくて途方に暮れていた時、燃える炎のような色を引き連れて、スレッタが現れた。 「改めましてこんにちは。ミオリネさんとお付き合いさせていただいてる、サマヤ家の2番目の仔、スレッタです。ダイア種で、今は軍で働いています」 2  私を抱きかかえるようにして隣に座るスレッタがぺこりと頭を下げる。 「ミオリネさんは三年前にペットとしてお迎えしたんですが、その後なんやかんやあってツガイになりました。私の家族には紹介済みで、ミオリネさんのお父さんには事後承諾みたいになっちゃうんですが、どうがご理解いただければなと」  クソ親父は鼻を鳴らして目を逸らした。イヌネコの体動詞に慣れすぎて一瞬友好的な動作に捉えかけたけど、これは多分不機嫌さのアピールだな。 「ミオリネさんとの仔も、もう二鼻いるんですよ。お腹にも次の仔がいます!」  まだ自覚は無いが、現在私は3鼻目のスレッタとの仔を妊娠中らしい。妊娠が匂いで分かるってんだからイヌの嗅覚は凄まじい。妊娠中、スレッタはビックリするほど過保護モードになる。おかげで職場の定位置も毛布やらクッションやらを持ち込まれて立派な巣にされていた。マーキングも凄いらしく、イヌネコは近寄りたがらない。スレッタが手の甲で私の頬、お腹を撫でて足に触れる。本当は私が外に出るのも嫌だと言っていた。閉じ込めておきたい、でもミオリネさんはミオリネさんだから出来ないと、涙目でキュンキュン鳴いていたのを思い出す。 「二鼻ともとっても可愛くて……、あそうだ! 見ますか!?」 3  そういえばスレッタはこういう子だったなぁと、久しぶりにしみじみと思う。イヌとヒトの間の仔なんてものを堂々と見せるんだから流石としか言いようが無い。困惑している親父を連れてガンダム社の子供部屋に来たスレッタは、二歳と一歳になる我が仔を片手で抱え上げ、眉を顰めて困っている親父の膝に乗せた。 「トマトちゃんとは私似で、ライスちゃんはミオリネさん似なんですよ~」  勿論正式な名前ではない。イヌネコの仔は10歳までは通り名で呼び、後でちゃんとした名前を付ける習わしがあるんだそうだ。争いが激しく、仔が育つか分からなかった頃の名残なんだろう。トマトちゃんはスレッタと同じ色の毛のイヌの見た目だが、手足の骨格が私に似ていて、マズルも少し短い。ライスちゃんの方は私と同じでつるっとした白い肌をしたヒトのような見た目だが、イヌの耳と尻尾が生えている。不思議なことに私達二鼻の特徴を混ぜたような仔達だ。  トマトちゃんはスレッタに良く似た青色の目で親父を見て、それからしっかりした足取りで二足で歩み寄る。骨格が私に近いから、四足よりも二足の方が安定するらしい。警戒した様子でふすふすと匂いを嗅いでいたトマトちゃんは、次第にパッと表情を明るくして、尻尾を振った。うーん可愛い。 4 「……ママの、パパ! じじ!」 「きゃー! ちゃんと匂いで分かるんですね! 今日はお友達も来てますよ!」  そう言ってスレッタが頭から降ろしたのは、ずっと気になっていた真っ白な、鳥? 羽毛でもこもこの何かだ。なんなのそれ。どっから持ってきたの。 「えありゅー、おともだち? にちわ!」  ハイハイで近付いてきたライスちゃんが、白い生き物のカバーで覆われた足に噛みつく。ヒトの姿なのに妙に野性的なんだよなぁと思いつつ「噛まないよ」と注意すると、何やら憤慨した様子で「ぶ」と鳴いた。うーんこっちも可愛い。 「……ね。見たら分かるでしょ? 私は〝私〟のまま、幸せにやってるの」  スレッタのおかげで。この三年間、確かにいろいろあったけれど、それでもスレッタと、スレッタが繋いでくれた縁で乗り切って来た。私の居場所、私のツガイ、スレッタ。撫でてくれるあの子の手が温かくて思わず微笑むと、親父は重たい沈黙の後「そのようだ」と瞑目した。音を代替しない、カンペキな発音だった。 「ヒトがヒトのまま幸せになれるのなら、それに越したことはないのだろう」  愚かなヒトを演じ続けたお父さんは、荷を下ろすように深くため息を吐いた。 5  お父さんの会社受入れ手続きをして、残していた仕事を手早く片づけ、仔を連れて家へ帰る。送り迎えには必ずスレッタが同伴していた。仕事中こそ我慢してもらっているけれど、スレッタのオスとしての部分は誰の目にも触れられないように私を閉じ込めてしまいたがっているからだ。家に着くと今度は私と仔達を毛布を敷いたベッドに押し込めようとするから、マズルを撫でて落ち着かせる。私の身の回りのことを全部やりたがるのと、巣作りはメスとしての本能らしい。  イヌは家族で仔育てをするとエリクトが言っていた。20歳で成体になったメスが家を出ないで親の仔育てを手伝うのは良くあることで、その為にイヌには偽妊娠という仕組みがあるのだと。確かに、一番体に負担が高い出産するメスを群れ全体で支えるのは合理的だと思う。それに、すごい愛されてるって感じがする。 「愛してます、ミオリネさん。大好き。世界で一番好きです」  愛されてる。今ではすんなりとそれを認めることが出来るようになった。ご飯を食べてお風呂に入って仔達を寝かしつけた後、スレッタの匂いだらけのベッドでグルーミングされながら、スレッタの囁きを聞いていた。 「3鼻目の仔はどんな仔になるんでしょう。また違う姿なのかな?」 6  スレッタの温かい肉球が肌の上をなぞる。性的だが穏やかな触れ合いは、妊娠している私の体を慮りつつ、けれどエッチなことがしたいから行われるものだ。したがってるのはスレッタというよりは、私なのだけれど。 「スレッタぁ……」 「ふふ、甘い声出しちゃって。お昼の時も、ピリピリしてたのに私が来たらふにゃふにゃの笑顔になってましたよ? お義父さん凄い顔してましたもの」  この子から与えられる幸せに溺れて、中毒になってしまったのだろう。そうとしか考えられない。スレッタの体温、スレッタの肉球、毛むくじゃらで硬い爪の生えた手。それらに触れて触れられると、頭がぼーっとしてくるようなじんわりとした温かい気持ちが胸に広がる。それが幸せなのだと、今の私には分かる。 「好き……スレッタ、大好きよ」 「はい、私も大好きです……。指、挿入れますね……」  初めの頃のようなキスと指での愛撫。刺激としては全然足りない筈なのに、相手がスレッタってだけで私の体は大悦びだ。あの子の毛むくじゃらの太い親指をギューギュー締め上げて、もっと犯してと体全部で表現してしまう。 7 「あっ、あぁっ! スレッタ、そこ、きもちい……ぁっ!」  何せこの三年間ずっとだ。ガンダム社で受け入れたヒトの様子を確認して、新規の派遣契約を結びに行って、エラン越しのデイトレードの金額規模は大きくなって、日中はそれこそイヌのように働いてる。でも夜になれば理性もなにもかも投げ捨てて、スレッタの愛に溺れる。妊娠させてやるという意志を子宮の奥の奥まで流し込まれ膨大な快感と幸福感に震える、愛玩されるだけのペットに成り下がるのだ。そんなことを続けていたから妊娠して体を労わろうという段になっても我慢なんて出来るわけがなくて、自ら股を開いておねだりすることになる。お腹が大きくなってきて、その重みと胎動にスレッタの仔を孕んでる実感が沸いて。出産は大変だけど生まれた仔は可愛くて仕方が無くて。暫くするとまた定期的にスレッタに滅茶苦茶に犯される期間に戻る。それを、三年間だ。  たった三年間で私は滅茶苦茶になった。過去の私が、スレッタに会う前の私が今の自分を見たら眉を顰めるかもしれない。理不尽に対して怒ってた癖に、結局飼い主に媚びを売るようなペットに成り下がったのかと。  私は堂々とこう返すだろう。何が問題なの? 私今、幸せよ、って。 8 「スレッタっ、スレッタ、あっ、イ、く……~~~っ!!」 「はぁ、ミオリネさんかわいいです……気持ち良かったんですね? 指ぎゅーぎゅーしちゃって、千切れちゃいそうです。しあわせ~って匂い、してます」  絶頂を迎えて息を整えようとする私をスレッタがべろべろ舐めまわしてグルーミングしてくれる。頭の先から胎のナカまで、私の全部スレッタの匂いが沁み込んでいるのだろう。私はスレッタので、スレッタは私の。あぁ、好い。最高だ。 「はーっ、はーっ……、スレッタ……愛してるわ」  私の大きな赤いイヌ。愛おしさを伝えたくてじゃりじゃりの鼻先に何度もキスをする。愛してる。あんたが居たから、喋るから不気味だと謗られたヒトはヒトのまま幸せになれた。愛してる、スレッタ。閉じた世界を焼き払ってくれた炎。あの透明な箱から私を選んで連れ出してくれた、私だけのイヌ。 「ずっと傍に居てね。私はあんただけのヒトだから」 「はい、勿論です! 私もミオリネさんだけのイヌですからね!」  見つめ合って、笑い合う。生まれも姿も違うけれど、想いは同じだ。  一緒に生きて、一緒に死ぬ。この過酷で美しい世界に、それだけを願った。 20260805 by トランジスタ 本投稿の無断での転載・複製・複写・販売・AI学習を禁止します。 おわり!! 終わりです!! 飼い主獣人スレッタとペット人間ミオリネさん、完! トマトちゃん:長女。ヒトの骨格に近いイヌ。手足がヒトなので器用だし、聴覚嗅覚はイヌ並み。これからスレッタより少し小さいくらいまではでかく育つので膂力も凄い。スミちゃんのハイブリット。獣人って言われたら思いつくような獣人の見た目してる。骨格がヒトなので四足は苦手。 ライスちゃん:次女。イヌの特徴のあるヒト。ベースがヒトだけど耳がイヌ耳だし尻尾もあるから体動詞は十分扱える。鼻はヒトよりは少し良いかな?程度。ミオリネさんくらいまで育つしほとんどヒトなんだけど、爪は分厚く硬いし、手足と背中には毛が生えてる。犬歯がぶっとく鋭い。獣人って言われたら思いつくような獣人の見た目パート2。同じくヒトなので当然四足は苦手。 小さく産んで大きく育てるのがイヌネコの戦略なので、ヒトの赤ちゃんより少し小さい位の大きさでうんで、一次成長で150cmくらいに、大型は更にそっから18歳くらいまでに2m越えにぐんぐん伸びる。その為、死ぬほど飯が要る。 ちなみに書けなかったけれどスレちゃんのおっぱいはお乳出るので、なんと二人で交代で赤ちゃんにお乳与えれるという。すごい。冷静に考えるとイヌの偽妊娠エッチすぎる。 スミちゃんの異種エッチいっぱい書けて楽しかったですね。いつもとは違うキャラ選出も出来た(ケナおじこんなに擦り倒すと思ってなかった)ので満足。 ではまた次作で。

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