いつもお世話になっております。404です。
突然発狂して小説を書き始めてからおよそ一年。なんか知らんけど文字がいっぱい増えたのでいけるかなと思い、ちゃんと計算し直したら260Pの同人誌ができてしまいました。厚さエグいです。当アカウントがすいません。
それでこの記事は何? という話なんですけど、簡単に言うと同人誌に収録した小説の著者の解釈を残す場が欲しいなと思って書き始めました。あとがきの代わり、とも言えるかもしれません。
もちろんお話を読んであなたの中に揺るぎない解釈が生まれた場合はそちらがあなたにとっての真実です。また、何をどうやってもゲーム本編には敵わない前提でやっておりますので、当アカウントが言っていることはほぼ朝のワイドショーの星座占いとか、スーパーの惣菜売り場にて大きな声で独り言を言っている競馬場帰りのおじさんの叫びと同じようなものだと考えてください。
初めてOMORIのエンディングを観た後、すぐに「こういう話が欲しい」と考え始めていたものが原型になっています。とにかくケルがいいやつすぎる……と噛み締めながら走り抜けたのが一周目だったもので。
ケルは多分、サニーのことを疑ったりとか、裏切られた気分になったことがないんだと思っています。そういう心の綺麗な人ってある程度成長してからすごくショックなことがあると、ポキっと折れちゃうことが多いじゃないですか?
ある程度劇中で挫折したりとか、人間の底を垣間見た描写があるヒロやオーブリーと違って、生まれて初めて信じられない人間というものと遭遇する……しかもそれが親友の背中がバリバリ割れて出てくるっていうの、ちょっと立ち直れるか怪しいなと思います。でもケルだから頑張ってほしいなという祈りでこの二次創作はできていますが……。
そこでSuntanの復縁のために出したオレンジの猫は最初から決まっていた要素のひとつだったのですが、データファイル名がClausであるという情報を見てからどうしても軸に組み込みたいなと考えていたのでうまくいってよかった。よくわからないという方はM●THER3を遊んでください。OMOCAT氏もきっとそれを望んでいるはずです。
この子と遭遇する六回、全部に立ち会ってくれるのはケルだけなので「二人で共有する秘密」にカウントできるのではないか? という仮説が立ち、最終的に親権というワードが出てきました。結果として続編の家族愛の要素に繋げることができたので大変満足している描写になります。
これを書き上げるまではサニーを喋らせることにものすごく抵抗があったのですが、ケル相手には結構普通に喋れてたのでは? と今は思っています。
当アカウントが人物を描写する際は常に五人くらいモデルにしている人がおり、ケルの場合はサッカー選手やバスケ選手のインタビューを読み込んでから書いています。特に攻撃が得意だけどそれ以上にチームの輪を大切にする人の考え方とか生き方をトレースするとそれっぽくなるみたいですね。あとそういう人、だいたい「腹黒い」とか「何考えてるか不明」って言われちゃうような中盤のゲームメーカーとびっくりするくらい仲が良くて日常的に家族ぐるみで行動していたりすることが本当に多いので、Suntanの解釈はそういう感じにしています。
ケルがサニーのために全力疾走するというイメージは最初期からありましたが、一気にストーリーが膨らんだのはズーカラデルの「トーチソング」という楽曲と出会ってからでした。いつもはじっと過酷な環境を耐え忍んでいて、時期が来ると突然咲くサボテンの花だとか、ずっと劣勢だったチームが土壇場で大逆転するシーンを瞬間的に燃え上がる炎と重ねて……幼少期のケルが握っていた線香花火の燃え滓から今のケルが持つ松明(トーチ)へ繋がるようなシナリオが一気に出来上がった感じです。
人間としての価値観が違いすぎるためCactiflowerの関係性はかなり難しいものであるというのが当アカの解釈ですが、バジルの言葉を思い出すことでケルの行く道が決まる描写を入れて大人になればまた飲み友達くらいにはなれるかも、くらいのニュアンスを入れられたのも気に入っています。この辺はもっと続きを書きたいと思っていたり。
ちなみにトーチソングという語自体には報われない片思いを歌うもの、という意味合いがあります。
でも何度でも、でたらめなままでも、向こう側に手を振るように……愛してくれと願う前に、自分が愛さなければ始まりも終わりも来ないんですよね。
全ての元凶であり、もしかして全員にハッピーエンドへの道はあるかも? と考えるきっかけになった作品。そして当アカウントはSunburn過激派へ……。
そもそもゴーストパーティでオーブリーが王冠を被って踊る描写だったり、ヘッドスペースで一貫してLadyと呼ばれていることがずっと引っかかっていて、彼女の悲惨な家庭環境と合わせて童話シンデレラのイメージが重なっていたのです。片方の靴を無くすところとかも…。
一方のサニーはすごいお坊ちゃんな訳で、救いの手を差し出せる可能性がある側です。加えて本当にオーブリーに対して好意があって、「正しくあろうとする人」だと認めている。バックステージでの会話、ブランコのイベント、ナイフで怪我をさせられているにも関わらず会いに来てほしいと最後の最後にお願いしてくること……オーブリーもおそらく満更ではないように思います。
なのにいい話になる前に、悪い話が始まってしまった……これはひっくり返し甲斐がありますよ。少なくとも当アカはそう思いました。あと単純に戦闘力が高く見た目が派手な女と精神がくたびれてそうな品のいいヒョロヒョロの男が好きなのでめちゃくちゃ筆が乗りました。
マリのゴーストを出した理由ですが……オーブリーがマリに叩き込まれた人間としての規範というか、あれは内在する神様みたいなつもりで書いていました。当アカウントも近しい人を若い頃に亡くしてしまって荒れた時期がありまして、どう生きていくべきなのかが全くわからなくてしばらく困ってました。
ただ、死んだ人の思い出に叱ってもらったりとか励ましてもらったりとかって全然悪いことじゃないっていうか、まあ実在していた人の二次創作をするみたいな話ですけど、「こうありたい」とか縋ってみる分には必要なこともあるんじゃないかなって思います。ああ、あの人自分の中に全然いるじゃん、じゃあ居なくなっちゃったっていうのも違うし、これから一生そばに居てくれるんだっていう救いに変わるなら、多分死んじゃった人も安心するし自分が死ぬ時も少しポジティブな事象に思えたりするのかな、って考えています。
祈りでは飯は食えないが、飯を食おうという気持ちになるならいいんじゃないかな。
またこれは新規に書き下ろしたAnother Storyにて掘り下げていますが、急に帰ってきたサニーがやたらキザで行動的なのは再び精神の乖離が始まっている状態だったからですね。ロマンチックじゃなくてごめんオーブリー! 彼女はもう恋する乙女状態なので三割増くらいに相手が格好良く見えてしまっており気が付いていません(というつもりで書いたという話)。このふたつの要素がBLACK, BUT WHITE CHRISTMASの引き金となり……、てな感じです。
言いたいことはほとんど本編に書いてしまったのでこんなオタクみたいな文章より本編読んで! って言っちゃえば終わりなんですけど、これも邦バンドの楽曲からいろいろ影響されているので紹介します。まずタイトルとテーマはズーカラデル「ダンサーインザルーム」を聴いて固まりました。大雨の中でずぶ濡れになりながら夢で見たゴーストダンスの再演をして、オーブリーが「バカみたい」ってサニーに笑いかけるみたいなのを見たかったんですね。荒れ狂っている時のオーブリーにはSHISHAMO「許してあげるから」とか「忘れてやるもんか」が似合いますね、ラストで湖へ向かう間は「恋する」がBGMで流れている気がします。力強い女、最高!
(②に続く……)
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