大島空港ターミナルビルを作りました。 年末に昨年の羽田空港の事故の中間報告書が出されましたね。危惧していたとおり海保機のパイロットのミスという方向性で書かれており、私が空港関係者の方と告発しようとしていた、羽田空港のC滑走路の運用の問題は一切触れられていませんでした。 羽田空港のC滑走路は、超過密な離発着が行われているにも関わらず、深夜まで一つの滑走路で離陸と着陸が同時に行われていました。このような過密スケジュールで滑走路を運用する場合、離陸と着陸の滑走路を分けるのが世界的な常識であり、このような運用をしているのは羽田だけということです。 2~3分間隔で離発着着が行われている中で、何かあれば(誤侵入だけでなく、エンジン故障・パンクによる離陸中止等)取り返しが付かないことになる危険性があることは自明のことであり、心ある関係者が危惧していることでした。海保機からは、後ろにいる日航機は見えるはずがありませんし、日航機からも夜間に滑走路上の海保機を視認することが難しかったこと、管制塔からも夜間に周囲の沢山の照明に紛れる海保機の位置を正確に把握することが困難であったことはシーナリーで検証すれば一目瞭然でした。 私にシーナリー製作を依頼された関係者の方は、このままではパイロットの責任だけが取り上げられて、その裏にある滑走路運用の問題が闇に葬られるのではないかと考えて、誰でも体験できる形で滑走路運用の危険性を訴えたいと考えて、シーナリー製作を依頼されたのでした。 結果は、ご存知の通り元管制官の方からの実名による危険性の告発に至ったのですが、告発されたにも関わらず、事故の中間報告書では、滑走路の運用の問題は全く取り上げられていませんでした。 羽田のシーナリーを製作したことで、多くのバッシングを受け、私は精神的に参ってしまいました。悪意のあるコメントや非難のメールに対応するうちに疑心暗鬼に陥り、長らく被害妄想に苦しみました。また、多くの視聴者の方にご迷惑をおかけしました。二度とあんな思いはしたくありません。しかし、あんな思いまでして問題提起したことが無駄になったことは大変残念です。 私にシーナリー製作を依頼された空港関係者の方は、事故後、滑走路の運用を変えるべき(せめて夜間だけでも離陸と着陸で滑走路を分けるべき)だと強く主張されたとのことですが、残念ながら誤侵入警報装置を設置したり夜間の離発着の回数を緩和するなどの措置が取られただけで、抜本的な改善には至らなかったということです。航空行政の世界では、安全性よりも経済性が優先されるのでしょう。この方も、今年3月には定年退職されるとのことです。 この件は、私にとっても強いトラウマになっていて思い出すのも辛いのですが、あえて書かしていただきました。航空行政の担当者に心ある方が残っていることを祈っています。
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