寒い 振り返りその2 ボカロPはじめて思うことをつらつらと。 個人的な所感なので異論もあると思うけど、なんかあったら「個人の感想ですよね?」と優しくください。 【ソフトとしてのボカロ】 まずはボカロを始めた経緯なんですが、現代のテクノロジーに触れてみたかったというのがなんとなくのとっかかりです。 生音でやれることはある程度やり尽くした気もしていて、バンドという編成や音の構成、あと生の歌というものの行き着く先(テクニックとかじゃなくて創造の方の)が見えてしまった感もあって、まぁ飽きのようなものも感じていたので新しい何かが欲しかったのが大きな理由です。 こういった音声ソフトというのはシンセ的なニュアンスもあるんだけど、詞を歌うこともできて、『右脳左脳双方』に呼び掛けられるすごい技術だと感じています。 「インスト」だと、例えばリードを奏でる楽器があって、、でもそれば音だけでしかなくて、そこには「言語」というものが基本存在しない。 「言葉」という表現がないので、理解ができない人には理解ができないものだったりします(よね?)。 僕は基本的には『声も楽器』として捉えているので、歌(声)に関しても比重は他の楽器と同じで、ノイズや環境音も同等に全て音の出る楽器として捉えています。 そんな各種楽器が役割を構築して出来上がるのが楽曲。 主なメロディーをなにで奏でるか、その裏でどの楽器が鳴るのか、どの音がビートをつくるか(つくらないか)。みたいな。 声じゃないと歌えないわけではなくて、ギターだってシンセだってドラムだって歌えるから、歌じゃなくてもいい。 逆に声もビートになったりする。 ただ、声(音声ソフトも含めて)は「言葉」が表現できる。それが大きな特徴だと思います。 [初音ミクを使用し始めて感じたこと] 「感情のない感情表現」がとても面白い 機械なのでそこに感情というものはないのだけど、楽曲で表現したい感情を良い意味で着色(人間的な温度感)なく表現してくれる。 生声というのはよくも悪くも人間の温度感が反映してしまう、無機質に歌っても加工しても。 『温度感がない(薄いと言った方がいいのかな)』というのは個人的にはとても理想的なものでした。 初音ミク以外のソフトはまだ使ったことないけど、V4Xの初音ミクでまだまだ色々表現ができそうなので、浮気せずに色々歌ってもらいたいなと思ってます。 個人的な声の好みは「dark」でよく使いますが、曲のよっては3種くらいをミックスしてます。 ちなみに僕は音楽表現として初音ミクを用いていますので、ボカロP(プロデューサー)という立ち位置では、その容姿やキャラクターをどうのこうのということはなく、あくまでも声(歌い手)として楽曲を歌ってもらう、声として表現してもらうという形でのプロデュースをしています。 【文化としてのボカロ】 これは本当にボカロPはじめて2ヶ月のにわかが感じるボカロ文化なので、有識者の皆様がもしこれをみた場合はお叱りを受けるかもしれない。 ボカロを中心に音楽的な色々なジャンルのクリエイターや奏者、ファンが集まって(基本的には)既存の商業ベースに乗らない表現を楽しんでいるそういう遊び場 ボーカロイド(アンドロイド)に人間性を持たせて、生身の人間をアバター化する そんな近未来の世界のβ版のような様相をしている それがいまのところの印象です。 なお、β版と定義したのは、まだまだ技術的に完全なバーチャルリアリティではないからであって、ボカロを取り巻く楽しんでいる人たちが不完全であるということではありません。 僕が生身で(顔も出して)ボカロPをやっているのはそのあたりがまだ不完全なのと、自分の演技力では現状「別の何か」になりきれないからです。 不完全さを補えるほどの演技力は持ち合わせていないので、であればいっそ生身として、現在のシステムで無理なく存在しえる形でPをはじめています。 [マーケティングへの大人の関与] 他の音楽ジャンルと同じように「マーケティング」に目をつけた大人がボカロという世界に入り込んできているのはなんとなく感じます。 音楽の業界自体が衰退しているなかで、いまだボカロに関してはYouTubeなどの再生数などをみても明らかに元気です。 勢いがあるのは、純粋にボカロ文化をみんなが自由に楽しんでいるからなのだと思います。 YouTubeやニコニコに誰でも音楽や映像をアップできるようになって、あと匿名性(アバター的なニュアンスの)がTwitterというSNSと相性が良いことも挙げられるんだと思います。 音楽的にキャリアがなくても音を作って発表でき、一定の人たちが聴いてくれて贔屓なく評価して共有して楽しんで、という文化が存在していて、まだまだ夢があります。 だいぶ(僕も含め)参入している人たちが増えているので他の音楽と同様にインフレしてきているとは思いますが、まだまだ公開されている音楽への政治的な関与は薄いと感じます。 ボカロは落ち目とも言われたりもするようですが、まだまだ可能性は秘めている世界だと僕は思います。(だから始めたんですが) 技術的に不完全な部分がまだまだあって、そこが進化できる余剰を残していますしね。 大人たちには現状のボカロの世界を食い物にして、今までの音楽業界のルートに乗せ消費し尽くすのではなく、ぜひ技術の進歩の部分での介入をしていって欲しいと願うばかりです。 技術的な部分が発展すればその分楽しみ方も増えて産業としても結果的に大きくなるんじゃないかなと思いますしね。 僕はクリエイターであり技術者ではないので、その辺りへの貢献はなかなか難しい(アイディアは出せるとしても)し、音楽をもっと突き詰めていきたいからそこに踏み入れていくことはなかなかできない。 ただ独自性のある音楽は作っていってボカロ文化の発展とか(とまではいかなくてもリスナーの方々の楽しみの一片にでも)、なにかしら貢献できたらいいなと思ってます。 と、現時点ではこんな感じで、また何かの区切りに考えがどう変わったか、見えてきたこととかを綴っていきたいです。 思い連ねただけなので乱文ですが、、長々とお読みいただきありがとうございました。 では、また。
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