飼い主獣人スレッタとペット人間ミオリネさん:8-2(連載)

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8-2 1  よくわかった。私多分もうスレッタ無しじゃ生きられないわ。  いや、とっくのとうにそうなのに今更何をと思うかもしれない。確かに私の身元を保証してくれているのは、スレッタというダイア種大型イヌの持つ社会的地位と暴力だ。私がイヌネコの社会で自由に行動出来ているのは、スレッタが深く深く私の体を愛でて匂いという形で証を刻み続けているからだ。  でもそれ以上に、昨晩の行為は私に、自分がもうあの子以外の誰をも愛せないであろうことを如実に示していた。考えてみればそうだ。二ヶ月とちょっとかけて自分の体を徹底的に開発して、スレッタのそれに調整してしまったのだから。あの子の長さ、太さ、膨れる大きさ、あの子の匂いと優しい手、それら全部があの強烈な快感に結びついてしまっているのだ。私の胎はもうスレッタ以外を受け入れられる状態にない。本当の本当に、この体はスレッタ専用になったのだ。  あとちょっと怖いくらい気持ち良かった。スレッタがどくどくと脈動するたびに背骨の方まで伝うような快感が走って、流し込まれるスレッタの熱い迸りが子宮ごと胎を内側から潰し、拡張していく。下腹部がどろどろに解けるような快感に、知性どころか思考力も感覚も全部ぶち壊されて、訳もわからず溺れていた。 2  全部の感覚が曖昧で、スレッタと繋がってる所と触れてる毛の感触と、注ぎ込まれる精液でパンクしそうな胎以外には何にも分からなくなってた、ということだけが思い出せる。大きすぎる快楽で体は痙攣し続けてる筈なのに、手足がどうなってたなんてことすら分からないのだ。あの間だけ私の体は溶けてなくなってたんじゃないかとすら思う。スレッタの精液を受け止めるだけの器になっていた、そう表現できるだろう。思考を焼き切られて多幸感で溺れて、スレッタの所有物・生涯の伴侶として自分を上書きされて絶頂し続けながら、自分の何もかもを全てを委ねてるあの安心感と快感は、ちょっと言葉では言い表せない気がする。  例えるなら、麻薬だ。あれはちょっと普通じゃない。依存性とかきっとある。目が覚めて、激しい運動による筋肉痛や胎の鈍くて温かい痛み、重だるい感じ、物理的にまだ膨らんでるお腹、それらを心地よい脱力感として感じる一方で、頭は酷くすっきりしていて満ち足りた気分だった。次、次がある。スレッタは多分孕むまで私を犯し続けるのだろう。だから必ず次がある。そのことを考えると胎の奥が疼いて、流し込まれた精液が零れ落ちるどろっとした股を濡らすような感覚があった。あんなものを味わわされ続けたら、壊れちゃうのではないだろうか。 3 「……まぁ、いいか。これからずっと一緒なんだし」  ちょっと考えたけれど、そう結論付ける。なにせ〝これ〟を望んだのは私だ。根球までねじ込まれて子宮に精液を流し込まれるような、ヒトなら生涯経験することのないような交尾を望んだのは私なのだ。それにスレッタ依存症になる程度がなんだというのか。スレッタだって私をツガイにしてしまってるから余程のことが無ければ離れられない。あの子だけ制約があるってのはフェアじゃないだろう。そう、だから、これは望んだ結果だ。あの子相手じゃないと満足できない体にされて、自分で慰めることももうとっくにできなくなってて、きっと距離を置いただけで自分がダメになるんだろうって予感があった。あの子の隣は心地よすぎるから。それは他者からすると恐ろしいものなのかもしれない。でも、私は。 「……愛してるわ、スレッタ」  愛してる。あの赤くて大きなイヌを、私を見つけてくれたあの子を。 「っ! はい! ありがとうございます!!」  吃驚した、居たのか。大声で返ってきた声に思わず笑ってしまう。ベッドから降りようとしたけれど体に力が入らない。察したスレッタが来てくれる。 4 「さすがに辛そうですね、大丈夫ですか?」 「体中筋肉痛よ。だるいし。お腹重いし」  抱きかかえてもらいつつそう文句を言うと、スレッタはパクンと口を閉じて耳を後ろに引き、目を逸らした。恐らくこれは……変なことを考えている。 「……ちょっと? また変なこと考えてるでしょ」 「いえ、ミオリネさんのお腹私でパンパンなの、すっごいエッチだなって……」 「バカ! バカイヌ! デリカシー!!」  イヌネコがこういう話題を恥じらったりしないのは知ってるけど! スレッタのマズルをぺしぺしと力の入らない手で叩くが、スレッタは特に気にした様子もなく私をリビングに運び、椅子に座らせる。テーブルにはこの国のざっくりとし過ぎた地図が広げられていた。いや、必要な情報は揃っているのだ。緯度と経度、標高と街と街の間の距離やランドマークの情報、各場所の匂いの情報、ドラゴンの危険度、ラジオの中継地点、宿場町などが書き込まれている。 「そりゃ街の形状とかは、あんたたちにとってはどうでもいいでしょうね……」  一方で街を示すのはただの丸だった。外周何kmとかしか書いてない。 5 「軍が売り出してる地図ですからねぇ。街の防衛施設は企業秘密ですから」  軍が顧客となる仕事というのは別格の価値がある。そもそも軍というのは、統一歴でイヌとネコが和解した際、唯一一丸となって備えなければならないと合意した外敵への備えである。防衛設備や外壁や主要道路の維持も軍が担っている。市民を守り、その為に日々努力することだけが軍の唯一の義務だからだ。その為の費用はいろんなところから徴収されていて、例えば預託所の開設・利用・維持費の一部だったり、証券取引の手数料の一部だったりする。なので私みたいな高額トレーダーは相当な金額を軍に納めていることになる。優良納税者である。  そういった仕組み上、軍から委託される仕事は長期的なメリットがあり、大体は一社の占有技術になる。壁に取り付ける防衛設備も同じ、ということだろう。とはいえ丸に東西南北の主要道路の線だけ引かれてるのは何とかならないのか。 「それでですね。ウェンディさんとナイラさんには今朝話しに行ったんですけど、ここが私たちのいる中央都市で、こっち側に私たちの研究所があります」  スレッタが地図を指さす。真ん中に一番大きな中央都市。その外周を囲う様に周辺都市がこれまた丸で示されている。私達が住んでるのは中央都市だ。 6 「ここが所謂第二円って言われてるところで、ここが第三円ですね。軍が見回りをしてくれるのはここまでで、こっから外周には軍の管轄外の都市があります」  つまり中央都市を中心にした第二都市群と第三都市群まで事実上の〝国〟なんだろうな。第三都市から外側には大まかに山とか川とかしか書かれていなかった。そしてスレッタが言う研究所、この子の実家は第三都市群から外側にある、と。 「……どうやって帰るの、これ?」  ここから外周の第三都市群までたどり着くのに既に千km程度距離があるように思える。っていうか、そもそも都市一つがでかすぎる。直径で三、四百kmくらいある。しかも街の外周から外周までは街一つ分くらい離れてるらしい。 「今回は少数なので、皆で走ります。エアリアルには先行してもらって、大体三日か四日で第三都市のここに着きます。そこから先は危ないので犀車ですねぇ」  スレッタが示した計画では夜間に大型イヌ組が疾走、途中の都市や宿場町で休憩しつつ、三、四日で第三都市に到着。第三都市で犀車を借りて、二時間の大休憩を挟みつつ昼間にゆっくり移動し、四日くらいで着くだろうとのことだった。ちなみに上京時は、スレッタ一鼻で四日くらいかけて踏破した道らしい。 7 「え、じゃあ私連れてるせいで、あんた一鼻の時よりも倍かかるってこと?」 「その、私一鼻だけならご飯も水も適当に済ませられますから。危険も少ないですし。……でも生肉むしゃむしゃしてきたなんて、恥ずかしいです!」  何か恥じらいたくなるポイントだったのか、スレッタは大きな手で目を隠して尻尾を低く振る。ネコなんて生肉ばっか食べてたりするけどなぁ。イヌはやはり調理したご飯のほうが好きなんだろうな。しかし大型イヌだけならご飯も水の確保も現地調達で良くて、恐らく睡眠時の警戒も最小限で良いのだろう。私を連れて行くのは明確な負担だ。それに夏休み期間だって決まってる。往復で二週間近くもかかるとなると、スレッタが自由に過ごす筈だった時間が無くなってしまう。 「……スレッタ」 「ダメです」  まだ何も言ってないんだけどな。私は苦笑を零しつつ眉を下げる。 「私がミオリネさんを家族に紹介したいんです! だから行かないはナシですよ!」 「……うん、分かってるよ」  あんたがそういう子だから、私は好きになったんだしね。 8 「だとすると私はどうするの? 丸一日しがみついてるのは流石に無理よ?」  というか、私を背負って丸一日走るって相当な負担だと思うのだけれど、そこは良いんだろうか? 街の規模を見ても改めて思うが、本当にこう、私達ヒトとは隔絶した身体能力だなと思う。スレッタは「大丈夫です!」と尻尾を揺らす。 「ミオリネさんはこれで運びます!」  そういってスレッタが取り出したのはなにやらいろいろとガジェットが付いた、背負子のような袋だった。肩を通すと思しき紐とベルトが付いている。 「なにこれ?」 「お子さん向けの抱っこ紐です! 大型は一鼻で野外行動しがちなので!」  なるほど。確かに丈夫そうな革で出来た袋で、二足でも安定して抱っこできるような、そして四足での激しい動きに配慮されたサスペンションとかの工夫がみられる。ご丁寧に内側から乳房に触れるような配慮までされていた。 「……スレッタ」 「ダメです!!」  まだ何も言ってないんだけどなぁ。 20260724 by トランジスタ 本投稿の無断での転載・複製・複写・販売・AI学習を禁止します。 依存性とかきっとある:ある。ヒト同士ではあり得ないハードな交尾のせいでオキシトシンとかドーパミンとかの脳内麻薬でラリってるようなもの。なので、ミオリネさんの頭ではスレッタを対象とする変な報酬系が出来上がっちゃってると想定できる。実際恋愛関係に於けるオキシトシンの脳内分泌は特定の対象に対して受容体が増強されるという研究があり、まぁつまりこのミオリネさんはスレッタ限定脳内麻薬中毒者になる可能性が高い。愛着で程度の問題が生じるので、もう手遅れでしょう。あんまりスレッタから離れてると“スレッタ切れ”になって苛々や下腹部の物足りなさ、飢餓感とかが生じるだろうし、情緒もぐちゃぐちゃになる(定期的なオキシトシンの大量分泌が途絶えると離脱症状が起きる)体も結構無理して開発したから長期間セッを欠かすと苦労するだろうねぇ。 つまり、スレッタはツガイ認定のおかげでミオリネさんから離れられないし、ミオリネさんは体のチューニングをスレッタに合わせちゃってるので離れられないということです。いいね。健全な共依存だ。 子宮に精液残ってる描写:ん? って思われたかもと思うので補足。 前述のとおりイヌ科の生殖戦略は高圧で子宮頚管に直接精子を届けるという「おぉ」というものです。でも普段子宮口というのは硬く閉じているもので、エロ漫画みたいにゆるゆるではないです。その為、生理の時みたいに子宮の収縮によって徐々に押し出されて、一日くらいかけて排出されるものと思われます。つまりミさんは交尾後一日くらい“スレッタと交尾した”という事実を実感をもって分からせ続けられるわけですねエッチですね。 無論、これは俺の推測であり、本当はどうなるかは知りません。そんな実例は無いので。現実の狼だの虎だのと人間が交尾したらまず死にますよ。本作はフィクションですからね。野生動物との姦淫を推奨するものではありません。

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