【戯曲年間】 2020年、「5年目に入ったので1年間で5本公演やろう」と思いつき始まった年間企画。 プロの戯曲5本を、メンバーを変えて年中、山口市内各所で作り続けます。 岸田國士作「クロニック・モノロゲ」は第2弾。 全編生配信でお届けします。アーカイブもあり。 【クロニック・モノロゲ】 戯曲賞で有名な彼の偉人・岸田國士による、1933年の作品。 90年近く前に書かれていながら、今の時代にも通ずる感性を揺り動かす不思議な戯曲。 挑むのは、たった一人の役者。女、男、そして男に語り掛ける複数人を演じ分け、およそ40分間「一人の空間」を作り上げます。 《あらすじ》 海岸の小さな貸別荘。 療養のため移り住んできた夫婦は仲睦まじく、穏やかに暮らしていたが、ある夜妻が何者かに殺されてしまう。帰ってきた男は嘆き悲しむが、警察を呼ぼうというところで、ふと、立ち止まった。 「さて犯人の目星をつける段になって、一応、この俺が嫌疑をかけられるようなことはないだろうか」 警察との問答の予行練習を始めたが、無罪を証明するはずが、虚構のやりとりはやがて男の深層へと潜り込んでいく。 【岸田國士】 1890年生まれ。日本の劇作家・小説家・評論家・翻訳家・演出家。 東京帝国大学文科大学に選科生として入学、フランス文学や近代演劇を学ぶ。著名な訳書にジュール・ルナール『にんじん』、『博物誌』、『ぶどう畑のぶどう作り』など。パリに遊学し、当時フランスで盛んになっていた演劇純粋化運動に接していたが、1922年の父の死去により、翌年帰国する。 戯曲作家育成に力を注ぎ、文学座創立者のひとりであり、第一次「悲劇喜劇」、「劇作」等の演劇雑誌を主宰。その遺志を引き継ぐ「岸田國士戯曲賞」は若手劇作家の登竜門とされ、演劇界の芥川賞とも言われる。 主な戯曲に『古い玩具』『チロルの秋』(1924年)『紙風船』(1925年)『葉桜』(1926年)『浅間山』(1931年)など多数。他に小説、評論、翻訳も多数執筆している。 1954年、文学座『どん底』(原作マクシム・ゴーリキー)の舞台稽古中に脳卒中に襲われ翌日死去。63歳没
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